研究者動画
デジタルツインで災害対応を変革する"DDS4D"とは(2021年度)
「”災害事象の見逃し”、”対応の漏れ・遅れ”を未然に防ぐことはできないのか」 私たちはこの課題に対して、災害事象および災害につながる事象の時間的変化・空間的分布を解析する災害動態解析技術により意思決定を支援する情報を提供する仕組み「災害動態意思決定支援システム DDS4D(ディーディーエスフォーディー)」を開発しています。
DDS4Dは、現実の世界で観測される自然・社会の情報を逐次デジタルデータとして取り込み、サイバースペース内に災害事象の「デジタルツイン」を構築します。
このデジタルツインを使って、これまでは災害が発生してからでないと実行できなかった解析を即時に行うことで、「今洪水が発生したら大きな被害がでる恐れがある地域」「災害対応のための自治体の負荷が過大になる地域」などの情報を、災害対応の意思決定者 へビジュアルに提供します。
これらの情報により、個別の災害情報だけでは難しかった「見逃し・漏れ・遅れ」を未然に防ぎ、先手を打つ災害対応に寄与する事を目指しています。
災害動態意思決定支援システム:DDS4D(2020年度)
災害事象の時間的変化・空間的分布をリアルタイムに解析することにより、勃発・急変・転移などの異状を自動的に検知して、災害対応にあたる行政機関の意思決定を支援するためのプロアクティブな情報プロダクツを生成し、分かりやすく表示する「災害動態解析技術」の研究に取り組んでいます。
この動画では、研究成果を実装した「災害動態意思決定支援システム DDS4D(ディーディーエスフォーディー)」のプロトタイプを紹介しています。
DDS4Dは災害動態解析を実現するための三つのサブシステム、災害動態時空間データベース(DDS-DB)、災害動態シンセサイザ(DDS-SY)、災害動態ビジュアライザ(DDS-VI)により構成されています。
SIP4Dなどにより収集・集約される多種多量な災害動態データを大規模時空間データベースであるDDS-DBにリアルタイムで蓄積しDDS-SYで即座に解析を行います。
DDS-SYの解析シナリオは災害状況に応じて柔軟に定義できます。解析結果は時々刻々DDS-VIのダッシュボードにより可視化されます。動画では、リアルタイム解析の事例として、令和2年台風第10号接近時の職員負荷係数の可視化を紹介しています。