2019年11月15日に、当研究所(つくば市)で、「目黒星美学園『社会科見学:わくわくしながら、防災研究の最先端に触れよう!』」を開催しました。
目黒星美学園中学高等学校は、防災教育チャレンジプランに採択された実践校であり、昨年に続き、防災科研見学を実施し、そのなかの発表とワークショップで防災科研の研究員はアイディアをさらによくするためのアドバイスを行いました。
目黒星美学園における防災社会科見学は、以下のような目標を立てて、防災教育の初期の段階での、生徒の意識の転換を目指されており、防災科研はその目標を達成するための助言を行いました。
- 防災は「大人から教えてもらうもの」「誰かにやってもらうもの」ではなく、「自分で考えるもの」「私自身が行動するもの」と捉える。
- 生徒が持つ防災に対するマイナスのイメージや抵抗感を取り払う。
- 様々な視点を取り上げることで、「1つの答えを覚える」ではなく、「多様な防災選択肢を持つことが大切」という認識を持つ。自らの考えを発信する面白さを経験し、学びの意義を見出す。
当日は、防災科研の紹介DVDを見た後、地震ザブトン、大型耐震実験施設、大型降雨実験施設と所内を見学、Dr.ナダレンジャーの自然災害科学実験教室を体験、その後、本社会科見学の特徴である発表とワークショップを行いました。
最初の発表では、防災のイメージをどうやってアップするかについて、目黒星美学園中学1年生の代表チームがプレゼンテーションし、研究員からアドバイスを受けました。
ワークショップでは、なかなか避難しない人に対して、どうすれば避難してもらえるのかについてアイディアを書いてもらい、自ら避難行動を促すにはどうしたらよいのかについて考えたうえで、助言を受けるなかで、防災についての理解が深まったのではないかと思います。また、未来の防災について、中学生ならではの柔軟な視点でアイディアを出してもらい、研究員も刺激を受けたようでした。
見学後、先生方に「最先端の研究に触れると共に、生徒は自分で考えて発信する経験もあり、充実した社会科見学になった。 防災科研の方が生徒たちの活動に温かくご協力くださったことで、生徒たちの防災に対する主体性と意識が高まり、 知識と理解を深めることもできた」という感想をいただきました。
なお、昨年度、防災社会科見学を経験した生徒から、台風19号の後に「防災の活動に取り組みたい」と申し出があったそうで、「時間が経ってから経験や学びが活きてくることがあると改めて分かった」というお話もいただいており、この取り組みを行った意義があったと改めて感じています。
開催概要
名称 | 目黒星美学園中学高等学校「社会科見学:わくわくしながら、防災研究の最先端に触れよう!」 |
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日時 | 2019年11月15日 10:00~15:00(5時間) |
会場 | 国立研究開発法人 防災科学技術研究所(つくば市) |
対象 | 中学1年生 |
参加者数 | 約70名 |
主催 | 国立研究開発法人 防災科学技術研究所 |
プログラム概要 |
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当日の様子
大型耐震実験施設の見学 |
Dr.ナダレンジャーの 自然災害科学実験教室 |
生徒の発表1 |
生徒の発表2 |
生徒の発表3 |
研究員からのコメント・助言1 |
研究員からのコメント・助言2 |
研究員からのコメント・助言3 |
防災ワークショップ1 |
防災ワークショップ2 |
防災ワークショップ3 |
防災ワークショップ4 |
→ 昨年の様子