シンポジウムを開催しました
シンポジウム配布資料・動画
第1部
- リスクガバナンスの現状の課題と展望 (長坂)
- 地域コミュニティの協働による地域防災の高度化事例 (李)
- 防災協働社会の構築に向けたリスクコミュニケーション (須永)
- 地域防災を支える災害リスク情報の利活用ツールの紹介 (田口)
第2部
シンポジウム概要
独立行政法人防災科学技術研究所(理事長:岡田義光)は、2012年3月17日(土)東京国際フォーラムにて、シンポジウム「東日本大震災を踏まえたリスク社会のイノベーション―情報共有に基づく新たな公民協働―」を開催します。
当研究所では、東日本大震災の対応として、被災地外から救援・復旧に入る方々への情報支援、災害ボランティアセンターの運営支援、被災自治体の災害対応支援、災害記録アーカイブスなどの活動を、これまでの研究成果を活用して行ってきました。本シンポジウムでは、これらの活動を通じて得られた課題や知見を踏まえ、「平常時における災害リスクへの備え」、「大規模・広域災害における情報共有と受援力」、「公民協働による災害アーカイブのあり方」について議論いたします。
開催概要
名称 | 東日本大震災を踏まえたリスク社会のイノベーション ―情報共有に基づく新たな公民協働― |
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主催 | 独立行政法人 防災科学技術研究所 |
日時 | 2012年3月17日(土) 10:00~17:00 |
会場 | 東京国際フォーラム・ホールD5(有楽町駅より徒歩1分) 〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目5−1 03-5221-9000 |
参加費 | 無料 |
定員 | 100名 (終了しました) |
プログラム
開会の挨拶 10:00~10:05
第1部 10:05~12:00 「平常時における災害リスクへの備え」
東日本大震災では「想定外」という言葉がよく使われました。これは、災害を現象としての災害、すなわち「ハザード」という指標で捉えていたために対処が困難になったことに起因する点が大きいと考えられます。災害時にどのような“課題”に直面するのか具体的に想定し対応を考えていく「リスク」という視点が重要です。リスクには不確実性が伴います。想定外の事態にも対応できるような冗長性ある災害対応のシナリオとそのシナリオを実行する協働の体制を模索・構築する、新しいリスク感の形成と対策の実施が求められています。
第1部では、災害リスクの想定、冗長性ある災害対応とその体制づくりなど、リスクベースで備えるための手法とその技術について、プロジェクトの取り組みを紹介していきます。リスク視点で平常時に防災活動を行い、その活動が災害時にシームレスに移行できる、災害リスクの情報共有基盤とその利活用手法についても研究成果を紹介いたします。
<発表者および発表テーマ>
- 長坂俊成(独立行政法人 防災科学技術研究所 主任研究員)
「リスクガバナンスの現状の課題と展望」 →資料 - 李 泰榮(独立行政法人 防災科学技術研究所 研究員)
「地域コミュニティの協働による地域防災の高度化事例」 →資料 - 須永洋平(独立行政法人 防災科学技術研究所 研究員)
「防災協働社会の構築に向けたリスクコミュニケーション」 →資料 - 田口 仁(独立行政法人 防災科学技術研究所 研究員)
「地域防災を支える災害リスク情報の利活用ツールの紹介」 →資料
※ なお、第1部は府省連携による社会還元加速プロジェクト「災害リスク情報プラットフォームの開発に関する研究」の研究報告の一環として開催するものです。
<参考webサイト>
第2部 13:15~15:00 「大規模・広域災害における情報共有と受援力」
大規模・広域での災害において被災者を効果的に支援するためには、被災地外からの支援機能を効率的にすることが有効です。そのためには、被災地内外、および被災地入りして支援活動を行っている方との情報共有と協力体制の構築が不可欠です。当研究所では、情報共有の支援として、被災地のがれき処理や罹災証明発行などの行政への支援、社会福祉協議会が設置した災害ボランティアセンターへの運営支援を続けてきました。また、遠野市では震災発生直後から沿岸被災地の後方支援に取り組み、現在でもボランティアなどの活動拠点としての役割を担っています。
第2部では、東日本大震災での活動を踏まえて、援助をするための・援助を受けるための情報共有と、支援・受援の協力体制について検討します。
<登壇者(※敬称略)>
- 前川 靖展 (釜石市復興推進本部 廃棄物対策室)
- 花島 誠人 (財団法人 地域開発研究所) →資料
- 西塚 国彦 (宮城県社会福祉協議会 地域福祉課 課長補佐) →資料
- 朝比奈 秀文 (NTT空間情報株式会社 営業本部 課長)
- 清水 宏高 (デロイトトーマツコンサルティング株式会社 マネジャー)
<コーディネータ ※敬称略>
- 長坂 俊成 (独立行政法人 防災科学技術研究所 主任研究員)
※ なお、第2部は科学技術戦略推進費「官民協働危機管理クラウドシステム(中核機関:防災科学技術研究所)」の研究報告の一環として開催するものです。
<参考webサイト>
<発表資料>
→ 東日本大震災における 地理空間情報による被災地情報支援 (田口)
→ 災害ボランティアセンターの災害情報活用 (李)
第3部 15:15~16:50 「公民協働による災害アーカイブのあり方」
東日本大震災での経験や教訓を末永く後世へ伝えていくためには、さまざまな関係者が協働で取り組むアーカイブの取り組みが重要です。これまでの災害記録の保存は単にデータを「収集する」、「保存する」、という2点で活動が行われてきました。しかし、東日本大震災では、被害の大きさゆえ被災直後に被災者が自ら「記録する」ことは困難であり、さらには復興過程についても被災者が継続的に「記録する」ことが困難な点があります。被災直後・復興過程ともに「記録するための外部からの支援」が必要です。また、集めたアーカイブを公開した後の「活用する」の観点もきわめて重要です。これまではアーカイブされたデータがどのように活用されるのか、その利用目的が明確でないまま「発信」され、また活用された結果もフィードバックされないまま、放置されています。本来アーカイブされたデータが活用された事例は、多くの関係者で共有すべき経験知でもあります。このような課題を解決するために、アーカイブスでは活用体制や仕組みの整備も重要な課題です。
第3部では、記録ボランティアによる外部からの災害記録支援、被災地内での住民自身による記録と発信、そしてアーカイブスデータの利活用の3点について論議を進めてまいります。
<登壇者(※敬称略)>
- 長坂 俊成 (独立行政法人 防災科学技術研究所 主任研究員)
- 吉岡 顕 (記録ボランティア)
- 斉藤 元 (記録ボランティア)
- 青地 あい (記録ボランティア)
- 須賀 典子 (夢ネット大船渡)
- 千葉 裕太朗 (KOM-気仙を大いに盛り上げたい-)
- 佐々木 聖 (釜石アイアン・ハート)
- 佐野 和也 (気仙沼教育委員会)
- 被災地の行政担当者と調整中
<コーディネータ(※敬称略)>
- 徳山 喜雄 (朝日新聞社、サイエンス映像学会理事)