今年の夏は猛暑が続いたため熱中症で救急搬送される人が各地で発生しましたが、同時に水の事故も例年と同様起きています。警察庁発表によればお盆の期間(8月11日から15日)にかけて水難事故で亡くなった方は全国で43人、これは昨年より8人多かったそうです。全体としては水難事故の件数は減少傾向にあるようですが、これは少子化の進展で水とのかかわりが多い若い人の数が減っていることと関係しているかもしれません。水難事故は若年層に犠牲者が多いのが特徴です。平成26年7月から8月における水難事故の発生状況をまとめた警察庁の資料によれば、この2か月間での水難事故件数は475件で、そのうち111件が中学生以下の子供によるものでした。上記子供の水難者は135人で、死者・行方不明者が28人になります。以前にこのブログで書きましたが、子供の水難事故は海よりも河川での事故が多く、子供の日常生活圏域で事故が起きていることがわかります。周りの監視の目や、適切な声掛けによる注意喚起など、事故を未然に防げる可能性のあることはできるだけ取り組むことが肝要です。
海での事故では離岸流によるものが毎年起きています。海上保安庁などが啓発用の動画をアップしていますので、学校での行事などで海にかかわるものを行う前にはぜひ利用していただきたいものです。(動画はこちら)このように動画を効果的に使うことで、防災への理解を高めることは効果的だと感じられるものが多くなってきました。今週末には世田谷区で防災塾を行うため私たちのチームもお手伝いをするのですが、ここでも住宅密集地で建物火災が懸念されるところであることから、初期消火が重要なテーマになっています。そこで役に立つのが消火栓直結で放水できる「スタンドパイプ」です。道路に設置されている消火栓に繋ぐことで、公設消防が間に合わないようなときでも住民だけで放水できるスタンドパイプは東京などの密集市街地をかかえているところでは、大震災時など特に効果が期待されています。この操作方法がよくわかる動画もいろいろな地域で公開されています。
百聞は一見に如かずと申しますが、まさに「見ることでわかる防災」もいろいろあるので、我々もより一層コンテンツを充実させるべく頑張りたいと思います。