連日の猛暑のため、列島各地で高齢者や幼児を中心に犠牲者が出ているようです。東日本大震災から4年を経て、節電の機運もすっかり薄れてしまいましたが、冷房を効率的に使い、熱中症で危険な状態にだけはならないようにしたいものですね。さて、列島各地ではこの暑さから逃れる意味もあって、登山が盛んになっているように思います。先日私も家族と青森県の八甲田に行ってまいりました。8月の八甲田は緑が濃く、登山には最適なのですが、山の天候は非常に変わりやすくもあり、途中で猛烈な霧に見舞われました。幸い事故もなかったのですが、登山には常にリスクがつきものです。慎重なうえに慎重な配慮が必要です。
今回登山をするために前泊した温泉宿は八甲田ではつとに知られた場所でしたが、そこで気づいたのは高齢者の多さです。おそらく平均年齢は50歳を十分超えていたのではないかという宿泊客層で、若者はほんの僅かでした。みなさん山慣れしている方が多いので、無事に登山されたとは思いますが、ベテランでも事故の危険が存在する登山だけに、気を抜かないようにしたいものです。6年前になってしまいましたが北海道十勝岳トムラウシ岳で、9名が死亡するという痛ましい事故がありました。この事故ではツアーガイドも含めた死亡者がでており、登山における判断の難しさを象徴するような事故でした。
亡くなられた方々のほとんどが60代、50代で、生き残ったガイド2名が共に30代であったことも考えると、やはり熟年登山者の体力の問題も無視できません。今まさに列島は猛烈な暑さの中にありますが、涼しい山だからと言って水分補給を怠ると脱水症状や、筋肉のけいれんなど、登山につきものの事故が起こりえます。ペース配分には余裕を持たせ、事故のない登山を楽しんでください。そして登る前には登山届を忘れずに出してください。
八甲田山大岳登山道には、入り口にカウンターがありました。