寒い冬ももうすぐ終わり、間もなく春がやってきます。そろそろ春一番の便りも届きそうですが、今日はちょっと肌寒いですね。これからしばらくは風の強い日もあって、火災が多く発生する季節でもあります。平成26年版の消防白書によると、月別火災発生件数では3月がもっとも多く、特に林野火災では年間発生件数のおよそ4分の1が3月に発生しています。風が強いことで消火が難しく、思いがけず大きな火事になることも懸念されますので、特に注意したい時期ですね。
もう一つ、この時期で気になるのが大気汚染です。このHPでも左サイドのカラムに環境庁の大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」へのリンクを貼ってありますが、黄砂の影響や大陸からの石油資源燃焼に起因する越境汚染の問題もあって、大気の状態は常に気を使わなくてはなりません。また花粉症の人にとっては、外出もかなり気を使わなくてはならない時期でもあり、しばらくは頭の痛い季節になるようです。
ところでPM2.5というと、我々はいわゆる大規模な大気汚染による影響ばかりをイメージしがちですが、実は身近なところにもPM2.5の発生源があります。それは「タバコ」です。喫煙者はもちろん、非喫煙者にも受動喫煙のリスクがあり、タバコが健康に及ぼす影響は意外に深刻です。厚生労働省では健康リスクに関する知識をわかりやすくまとめたサイト「e-ヘルス」を公開していますので、積極的に利用したいところです。大気中のPM2.5の値が10μg/m3増えると、心臓や肺の病気による死亡率が9%、肺がん死亡率が14%、全死亡率が6%増えるという報告もあります。いわゆる飲食店などでたばこを制限する店も増えてきましたが、自由に喫煙できる店でのPM2.5の値は600μg/m3という測定値も示されていて、北京の大気汚染のひどい日と同様のレベルだそうです。まずは身近なところから改善していかないといけません。
呼吸器系の疾患が増えれば、それはとりもなおさず医療費の増大につながります。そしてそれは確実に将来世代につけを残すことになるのです。