御嶽山が噴火しました。これまでも何度か噴火を繰り返してきた山ですが、昨今の登山ブームで数百人規模の登山者がいる週末に噴火することになるというのは、おそらく初めてのケースではないかと思います。救助活動が無事に進み、一人でも犠牲者が少なくなることを祈りたいと思います。
御嶽山といえばほぼ30年前、1984年9月14日に発生した長野県西部地震で大きく崩れたいわゆる「御嶽崩れ」を思い出します。3千万立方メートルを超える膨大な土砂が山腹を下り、当時あった濁川温泉の建物とその経営者家族、そして山菜取りの観光客を襲いました。厚さ10メートルを超える堆積土砂のため、犠牲者は今でも発見されていません。私も現場に行きましたが、自然の力のすさまじさを思わせる凄絶な光景でした。山は多くの恵みと同時に、リスクも与えるものだということを強く認識させられる事件でした。
日本は火山の国でもあり、いたるところに火山があります。この高い山は大概が県境にあるので、危機管理の上では県や市町村がまたがってしまうのが一般的です。ハザードマップや被害想定、防災計画などで行政の違いによる対応のずれや差異がないよう、関連組織は密に連携する必要があります。危機管理は市民の目から見ればどこであっても同じ質で行われるものでありたいものですね。