システムメンテナンスのために、1か月ほどブログがお休みになってしまいました。久しぶりの投稿です。この間残念なことに、全国各地で大雨による災害が相次ぎました。丹波では8月15日からの集中豪雨で甚大な被害が発生しました。被害もおさまらないまま、今度は8月19日から20日にかけて、広島市で大規模な土砂災害が発生し、今度は70名を超す死者を出すという厳しい事態が続いています。今週水曜日には私も広島に調査に行くことになっています。
昨年10月の伊豆大島での台風に伴う大雨では、元町地区の斜面が大規模に崩壊し39名もの死者・行方不明者が出ましたが、この災害はまだ大雨警報や洪水警報、土砂災害警戒情報が災害自体が起きる何時間も前に出されていた中での災害でした。今回の広島での土砂災害の場合は、警報や土砂災害警戒情報が出されたときにはもう強烈な大雨になっていて、ほとんど事前準備ができないまま災害が起きたようになっています。いわゆる「リードタイムがない災害」ということができそうです。
大島町での土砂災害の場合、行政が避難勧告や避難指示を出さなかったという「行政の不作為」の問題は指摘されるにしても、テレビなどの防災情報をよく見ていれば、これからかなり厳しい事態になるだろうというのは、予測できないわけでもなかったように思います。町役場もまた、これまで避難勧告を出したことがないという未経験さからくる判断ミスは、かなり大きい心理的縛りになっていたんだろうとは思います。しかし、集中豪雨や竜巻、雷や雹など、被災範囲は狭いけれども極端に強い災害現象がこのように相次いで観測されるようになると、いつどこで災害に見舞われるかわからないという気がしてきます。これまで一度もなかったから、今度も大丈夫だということには決してならないということでもあります。よく被災地で市民の方がインタビューされていて、「ここに住んで何十年にもなるけど、こんなことは初めてだ」という声は、まさに一生に一度あるか無いかという災害こそが問題になっているという現実をよく表しています。
「めったに来ないけれども、来たら命に係わる災害」にどう取り組むか、我々も地域防災力向上のためのWSなどを通じて、そのイメージをきちんと描けるように、より手法を洗練させる必要があると痛感しています。