立秋を過ぎても暑い日が続き、体調を崩されている方も多いのではないかと思います。特に高齢者や闘病中の方にとって暑さは大敵ですが、どうか暑さに負けることがないよう、周りの方も気遣っていただきたいと思います。
夏に警戒すべき「熱中症」ですが、暑さ指数(WBGT=Wet Bulb Globe Temperature)というものがあるのをご存知でしょうか。これは湿度と放射、そして気温の3つの要素を一定の算式で組み合わせて算出される値で、気温と同じように度(℃)で表現されます。ただの気温よりも「湿度」に重きが置かれており、湿度が高いほど暑さ指数も高くなるようになっています。環境省のホームページには日本生気象学会の指針として、以下の表が載っています。
温度基準 (WBGT) | 注意すべき 生活活動の目安 | 注意事項 |
危険 (31℃以上) | すべての生活活動で おこる危険性 | 高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。 外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。 |
厳重警戒 (28~31℃※) | 外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。 | |
警戒 (25~28℃※) | 中等度以上の生活 活動でおこる危険性 | 運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。 |
注意 (25℃未満) | 強い生活活動で おこる危険性 | 一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。 |
概ねWBGTが28度以上になると熱中症が起きる危険性がかなり高まるので、体力のない方には特に配慮が必要という感じです。この種の「指数」に相当するものはいろいろなものが提案されていますが、数字そのものが情報として役立っているという印象は私はあまり持てません。数字ではなく、それがもたらす意味、すなわち危険、厳重警戒、警戒、注意という部分が伝わればいいので、指数そのものはあまり意味がないのではないかと思ったりします。
私が子どものころはニュースで流される天気予報では夏季の「不快指数」はごく一般的でしたが、最近はほとんど聞かなくなりました。最近では気象情報会社が発表する「洗濯指数」とか、ビール会社?が発表する「ビール指数」のようなものが流通しているようです。
WBGTは気温と同じ単位なので、数字的には馴染みやすいのかもしれませんが、一方で気温そのものとあまり変わらない数字でもあるので、危険性そのものはあまりよく伝わらないかもしれません。大体、指数というようなものは大中小とか、1から5とかいう程度の幅で理解するのが適当で、あまり細かくなってもかえってわかりにくくなるばかりではないかと思います。私たちの身の回りにあるさまざまな「指数」ですが、このような機会に一度見回してみて、使えるものとそうでないものとを考えてみるのも大切かもしれません。