警察庁がまとめた水難事故の統計を見ると、全体では海での事故が約半数(51.9%)を占め、河川での事故(30.4%)や湖沼での事故(9.6%)、用水路での事故(6.8%)を上回っていますが、子供(ここでは中学生以下を指しています)についてみると傾向が異なり、河川での事故が半数以上(55.7%)、次いで海(18.0%)、湖沼(13.1%)、用水路(9.1%)となっています。陸水(河川や湖沼の総称)は子供たちの日常での行動範囲にある危険個所にあたりますので、防災マップを作る際にも特に配慮したほうが良い要素です。死者・行方不明者についてみると65歳以上が42.6%にのぼり、他の事故や災害と同様、高齢者が多くなる傾向が出ています。事故が起きたときの生存確率も高齢者ほど低いと思われますので、釣りや沿岸部でのレジャーなどでは意識して高齢者安全に務める必要があるでしょう。
警察庁は水難事故を減らすためのポイントとして、以下のような項目を挙げています。
○ 危険箇所の把握(魚とり・釣りでは、転落等のおそれがある場所、水泳や水遊びでは、水( 海) 藻が繁茂したり、水温の変化や水流の激しい場所等の危険箇所を事前によく調べる。)
○ 的確な状況判断(天候不良時、体調が悪い時、飲酒したときなど、水難のおそれが高いときには、釣りや水泳を行わない。)
○ ライフジャケット等の活用(釣りやボート等で水辺に行くときは、必ずライフジャケット等を着用(体のサイズに合った物を選び、正しく着用)する。)
○ 遊泳時の安全確保
・掲示板、標識等により危険区域と標示された区域内に入らない。
・遊泳区域を標示する標識、浮き等を移動し、又は損壊しない。
・遊泳区域以外の水域で遊泳しない。
・遊泳中、他人に抱きつくなどの遊泳上危険な行為をしない。
・遊泳に当たっては、水深、水流を考慮し、安全な方法で遊泳する。
○ 保護者等の付き添い
子供の水難防止のため、幼児や泳げない学童等を水遊びさせるに当たっては、その者を保護する責任のある者が付き添うなどして、目を離さないようにする。
国土交通省は「川の防災情報(http://www.river.go.jp/)として、さまざまな安全情報を発信しています。これも是非役立てていただきたいものですね。
江戸川堤防上に設置された案内板にも川の防災情報の案内があります。