隣組という言葉で、戦時体制下の隣保組織を思い浮かべられる人は、どれくらいいるでしょうか。今ではほとんど死語となってしまった「隣組」の概念を復活させようという試みが行われています。ただし、これは戦争を前提としたものではなく、災害時の共助を前提としたものです。
東京都が昨年末にまとめた冊子「東京防災隣組2013」には、都内で組織され活動している64の団体について、その特色や背景、具体的な活動事例などがわかりやすく整理されています。私たちが特に注目している「連携」についても、住民間の連携だけでなく、地域住民と地域コミュニティ・事業者等との連携、企業間の連携などもあり、大都市東京ならではの、さまざまな隣組事例を見ることができます。
一つ一つの事例を見ると、私たちも地域防災の現場で直面するような課題がたくさん紹介されており、どこでも悩みは同じだなあと思う一方、解決方法にもいろいろな違いがあり、まさに防災にはカッチリした決まり手があるわけではないことがよくわかります。
冊子はこちらからダウンロードできますので、ご関心のある方はぜひお目通しください。
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国立研究開発法人 防災科学技術研究所
防災情報研究部門
所在地
茨城県つくば市天王台3-1