学校防災の関係でいろいろな小中学校に伺った時に驚くことの一つは、学習が非常にビジュアルなものに進化しているという点です。これは教科書でも、また学校に備え付けてあるさまざまな教材にも共通することで、いまはかつてないほど「目で見て理解する」時代になったんだと実感できます。テキストから入った情報を頭の中でイメージしていかなければならなかった(そのため落ちこぼれたりすることもあった)私たちの時代とは雲泥の差です。このことは特に科学の分野において目覚ましく、極論すれば科学の初期学習は全てビデオ映像だけでもいいのではないかと思われるほどです。まさに「百聞は一見に如かず」の状況になった感があります。
もちろん科学の原理や法則をきちんと理解するためには映像だけでは限界もあるわけですが、こと防災のような分野では、そもそも「何が起きるのか」、「それはどういう仕組みなのか」、「どのような状況が危険といえるのか」、「どうすればそのリスクを回避したり軽減したりできるのか」等を学ぶために、災害事象を目で見て理解できるようにすることの効果は極めて大きいといえます。
防災科学技術研究所でも、ホームページで防災研究の最前線や、実大建物の震動実験などさまざまな動画を配信しており、災害に関する知識を一人でも多くの方に共有していただくよう努力しています。これらは学校教育、社会教育などさまざまな現場でも活用していただきたいものです。
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