警報のあり方、危険に関する警告のあり方が問われています。今回伊豆大島で問題となった土砂災害警戒情報ですが、報道によれば国土交通省調査による2008年から2010年までの発表件数は2813件、そのうち実際に土砂災害が起きたのは93件だそうです。確率にすればわずか3%そこそこですが、これは一般市民の感覚からすれば、実に低いという感じでしょう。つまりアラートが出されても、まず起きることはないと思ってしまいます。実際、竜巻の警報もしばしば出されますが、被害を受けたケースは警報の発令数と比べると、非常に低い状況にあります。今回も私の住む千葉県では台風26号の接近に伴って3回も竜巻警報の発表がありました。
専門家はもちろんこの確率を少しでも高めるように、精度の高い予測を行うべく、日々災害現象を研究しているわけですが、現在の科学的知見では、残念ながらこの程度の「不確実さ」が入っていることを理解し、容認しておくことが大事です。そして、たとえ外れても仕方がない、でも念のために避難しておこうという行動を、いっそう誘発するような工夫が必要です。(国土交通省の「土砂災害から身を守るために知っていただきたいこと」はこちら)
避難するといってもわずかな時間です。多くの気象災害では半日から1日程度で危機的な状況から逃れることがほとんどです。今回不幸にもお亡くなりになった方々の年齢を見ると、やはり高齢者の方が多いなあと思わざるを得ません。特に高齢者の方、身体が不自由で一人では動けない方などに対して、そのわずかな期間だけでも周囲がサポートする仕組みを作ることが急務です。