WEB辞書で「ニューズレター」と引くと、政府機関や企業、研究組織などが一般市民やその分野に関心の高い特定顧客などに対して定期的に発信する情報媒体を指すようです。この言葉は90年代からさまざまな組織で使われるようになり、それまで主役だった「広報誌」や「機関誌」にとって代わって使われるようになりました。(よく見るとニューズレターと濁音のズを使っているものと、清音のスを使っているものがありますが、英語のWEB辞書で調べると実際の音は「ズ」と濁っているようです。僕の耳にはヌーズレターと聴こえます。)あらためて調べてみると、日本にある数多くの研究機関がそれぞれ固有のニューズレターをもち、それらを眺めるだけでも大変興味深いものがあります。
東日本大震災で被災の大きかった宮城県に本部のある東北大学に「災害科学国際研究所(IRIDeS)」が設置されています。東北大学に設置されたこの研究所は、2015年に仙台市で開催が予定されている国連の世界防災会議の中心的な役割を担うことが期待されています。こちらからも季刊(年4回)発行されるニューズレター「イリディス・クォータリー」が刊行されています(PDFはこちら)。被災地にある国立大学として、震災復興に研究者がどのように貢献できるのか、このニューズレターによるさらなる情報発信が期待されます。
ところで海外の大学のニューズレターをいろいろ眺めてみると、書かれていることは結構手前味噌な内容だったり、自分たちの書いた出版物のPRだったりするものが多い気がします。それでも自分たちの存在を少しでも広くアピールしようとする姿勢は貪欲です。日本は科学技術では世界をリードする立場にあるにもかかわらず、意外に自分たちのことを外にアピールをするのが得手ではありません。ネットによって国境を越えて情報が流通するようになった今、ニューズレターの効果的な活用方法も世界戦略の中では十分検討に値するテーマだと思います。それにしてもどこのニューズレターにも関係者のいわゆる「記念写真」的なものが多いですねぇ。これだけは何とかならないかなぁ・・・