春も深まり、関東地方ではさわやかな日が続いています。先日、定例のミュージックバードでの番組収録のために半蔵門に行く際に、TX浅草駅からレンタサイクルを借りて都心を走ってみました。都内には何か所かレンタサイクルがあり、浅草駅のものは地下駐輪場に併設されている台東区が運営するものです。借りられるのはいわゆるママチャリですが、感激するのはその料金で、一日借りても200円という安さ!これからもこの価格を維持してほしいものです。
浅草から上野まで10分、上野から秋葉原まで10分、秋葉原から神保町まで10分、そして神保町から半蔵門まで10分ですので、都合40分ほどで初夏の都心を快走しました。あらためて自転車で走ってみると都心の地形がよくわかり、お茶の水の谷の開削や、九段から番町にかけての坂の形など、身体で地形を感じ取れるよい機会になります。歩くのも大事ですが、短時間で土地の起伏や街区の構成などを理解するには自転車ほど適したものはないと、あらためて思いました。
最近はゲリラ豪雨などと呼ばれる短時間のしかし強烈な降水があちこちで観測され、そのたびに急激に水が溢れるところが報告されています。市街地が綺麗に舗装されて私たちが歩くのにはなんの不便もなくなりましたが、このことが一方では地下水の浸透を妨げ、地表面での水の流れと集積を加速させていると思うと、町のなかの安全と危険が感覚として捉えられる微地形の理解が重要だとあらためて思います。
都心は車の量も多く、また歩行者も多いので、自転車の通行にはくれぐれも注意が必要ですが、千代田区あたりはまだまだ裏通りが結構あるので、そこを自転車で走るというのはなかなか気持ちがいいものです。ただママチャリというのはかなり重く、かつ重心が後ろにあるため、漕ぎ方がロードバイクとは全く違うということに、今回あらためて気が付きました。重量はおそらく私が普段使っているロードバイクの重さ(約9キロ)の倍(18キロ?)はあろうかと思われますし、ハンドルの前に籠があり、これに荷物を載せるとハンドルが非常に不安定になるし、ブレーキは効きにくいし、姿勢が違うことと相まって太ももが張るのがよくわかりました。たかが片道8キロ程度の距離にもかかわらず、ロードバイクで50キロ走った時よりも疲れるというのも不思議なものです。台東区さん、是非浅草駅にクロスバイクかマウンテンバイクのレンタサイクルを整備してください。