東京都が行う防災関連の啓発活動は他の道府県よりはだいぶ進んでいます。もちろん1千万人を超える首都としての責任や対面もあることでしょう。さらには大地震でも安全が確保できない都市ではオリンピックの候補都市としても評価が厳しくなるといわざるを得ません。つい先日(3月4日)にはホームページで「液状化による建物被害に備えるための手引き(案)」が公開され、現在パブリックコメントを募集しています。間もなく2年が経過する東日本大震災の際も、震源から数百キロも離れた都心の臨海部を中心に液状化が発生したことから、巨大地震による液状化危険が広く社会に認知され、市民の不安の声が高まったことが背景にあると推察されます。今回公開された手引きは50ページ弱で、専門用語も多くちょっとわかりにくい記述はありますが、まずはこれで疑問に感じたことがあったら専門家に相談することが求められていますので、一種のリスクに関する対話が始まることが期待されます。今回は液状化対策アドバイザー制度が創設され、この活動を支えるようです。
臨海部の埋め立て地や、河川の近くの低地に住んでいる方だけではなく、いまは平坦に見えても昔は池や沼だったところに住んでいる方、地下水位が高いところに住んでいる方、東日本大震災で地中管の浮き上がりなどが見られた地域に住んでいる方など、危険を身近に感じている方は、この仕組みを積極的に活用して、少しでも不安を軽減したいところですね。