立春を過ぎても寒い日が続きますが、冬場はとりわけ高齢者にとっては危険な時期です。以前に雪の事故が高齢者に集中している現実を紹介しましたが、日常事故でも高齢者が亡くなる事故はこの時期に最も多くなっています。昨年12月18日、東京都の健康長寿医療センター(TMIG)が浴室での心肺停止による死亡者数を全国で約1万7千人という推計値を発表しました。そのかなりの部分が高齢者です。
人の死因については人口動態統計に集約されているわけですが、入浴中に心肺停止になった場合、もともと持病があったときにはその持病による死亡と判断されるケースもあり、さらには必ずしも救急によって医療機関に搬送され死因を特定されるわけではないので、実態としてどこまでが「入浴中に死亡した」かは正確には把握できないということになります。TMIGでは東日本の23道都県のすべての消防本部に調査票を送り回答を得た結果に基づいて、高齢者数との関係などから全国推計して浴室内での死亡者数を年間1万7千人と見積もりました。これは結構な数ですが、時期的には12月から1月2月に集中していて、暖かくなると急激に数を少なくしていきます。メディアでも時々注意喚起されてはいますが、風呂場と居室との温度差によるヒートショックなどがないよう高齢者を取り巻く環境について周囲で十分な配慮をすることが必要です。
人の死因については人口動態統計に集約されているわけですが、入浴中に心肺停止になった場合、もともと持病があったときにはその持病による死亡と判断されるケースもあり、さらには必ずしも救急によって医療機関に搬送され死因を特定されるわけではないので、実態としてどこまでが「入浴中に死亡した」かは正確には把握できないということになります。TMIGでは東日本の23道都県のすべての消防本部に調査票を送り回答を得た結果に基づいて、高齢者数との関係などから全国推計して浴室内での死亡者数を年間1万7千人と見積もりました。これは結構な数ですが、時期的には12月から1月2月に集中していて、暖かくなると急激に数を少なくしていきます。メディアでも時々注意喚起されてはいますが、風呂場と居室との温度差によるヒートショックなどがないよう高齢者を取り巻く環境について周囲で十分な配慮をすることが必要です。
夏は熱中症、冬はヒートショックと、高齢者は環境適応力の低下に起因するさまざまな健康不安にさいなまれることになります。だれでも家族のなかに高齢者がいれば、その健康や最後の看取りの問題には直面することになります。近刊の沖藤典子さんの「それでもわが家から逝きたい-在宅介護の現場から」(岩波書店)は訪問介護の現場で直面したさまざまな事例が紹介されており、当事者すべての息遣いが感じられる素晴らしい本です。