中国の大気汚染が大変深刻な状況で、その影響が日本にも及んでいるという報道がありました。九州では既にこれに起因する大気汚染が観測されているようです。黄砂の時もそうですが、偏西風ジェットの上流に中国、下流に日本が位置する地理的状況では、中国が汚れれば、そのつけは日本にも回ってくるという構図は変えられそうにありません。中国はGDPで日本を抜き世界第二位に躍進して久しいですが、その成長力は抜群で世銀の発表では2013年度の経済成長率は8%を上回ると予想されています。日本でもそうですが経済発展は副産物を生じるもので、この大気汚染が深刻な健康被害に発展し、医療コストを上昇させ、ひいては世界経済にも良くない影響を及ぼさないことを祈るばかりです。
それにしてもアジアの各都市の大気汚染の状況を「鼻毛の長さ」で表した鼻毛地図(Clean Air Asia)は大したものです。これを見ると、日本はまだまだ空気が綺麗だといえるのですね。かつての高度経済成長期のような「公害」が再来しないことを願います。
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国立研究開発法人 防災科学技術研究所
防災情報研究部門
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茨城県つくば市天王台3-1