あの寒い朝に発生した震災から18年が経ちました。最新の統計では被災地の人口が他の日本の大半の地域と同様に減少し始めたことが報告されています。震災直後は多くの市民が被災地から流出しましたが、その後新たに流入する人口もあって、一度は震災前の人口を上回った大都会神戸もまた日本社会全体の人口減少の波にはあらがえなかったということでしょうか。
いままた東北の被災地では大規模な人口流出状態にあります。今度はそもそもが人口減少の状態にある私たちの国の中で、被災地がどのように回復していくのか、きちんと見守ってゆかねばなりません。神戸では復興借り上げ住宅の退去期限である20年が2年後に迫ってきています。空き家がかつてないほど溢れている現状を考えると、住宅を社会の適切なインフラに維持しておくことと、セーフティネットとしての役割を与え続けておくことの両立は容易ではない気がします。
このような中、政府の地震調査研究推進本部は2013年1月1日時点での長期評価結果を公表しました。毎日起きる事件が多すぎて注目されていませんが、東日本太平洋沖地震の発生を受けて確率評価の値が変わっていますし、以前よりは解説がわかりやすくなったような気もしますが、私たちはこの結果をどう受け止めるべきか、いま一層の議論が必要です。自分の地域の地震発生確率をどう考えるか、またこの結果を社会にどう活かすか、もっと多くの声を上げる必要があります。
つぼつぼのprofile
国立研究開発法人 防災科学技術研究所
防災情報研究部門
所在地
茨城県つくば市天王台3-1