磯野家の隣家との関係はどうでしょうか。流通している見取り図によれば磯野家の南隣りには小説家の伊佐坂先生が住んでいるようです。西側の裏手には高齢者の夫妻(裏のおじいちゃんとおばあちゃん)が住んでいます。磯野家と両家との関係はなかなか良好なようですが、庭を挟んで会話のできる距離に住んでいるということは、火災が起きれば延焼が容易におよぶ距離に建っているのかもしれません。見取り図では磯野家の庭は結構狭く、純木造平屋建てとなると、火災は一番心配されます。(全壊も書きましたが、ネットで流通している見取り図は正式に公開されているものかどうかわからないので、ここではリンクを張りません)。
東京都は定期的に「地域危険度」という指標を公開しています。これは都内の各地を5段階の災害危険度で評価したもので特定の災害を想定したハザードマップとはやや異なり、地域が持っている災害に対するポテンシャルを指標化したものとなっています。一番新しい危険度は平成20年に公開されたものがあり、これによれば世田谷区桜新町1丁目は建物倒壊危険度が2、火災危険度が3、総合危険度が2となっています。この危険度は1から5までの5段階で評価されていて、火災危険度は中程度、倒壊危険度、総合危険度は、やや良といったところでしょうか。
地震火災は都下における地震災害の中で最も懸念され、ほとんどの人が不安に思っているものです。そこで平成23年6月までに全ての住宅に(新築、既存を問わずに)火災警報器の取り付けが義務づけられました。しかし実態としては古い家で警報機がついていない家がまだ残されていると思われます。特に高齢者の死者が非常に多くなっている現実(年齢別では高齢者が6割、逃げ遅れが6割と言われています)からすると、警報機によって救える命があったのにと悔やまれることにはしたくないものです。
さて、磯野家はどうでしょうか。興味深いことに見取り図では一番奥の8畳の和室に波平さんとフネさんが寝ているようです。ドラマの設定ではお二人ともまだ足腰が達者のようですが、いずれ動きが鈍くなって逃げ遅れないようにするためにも、この部屋と隣の台所には警報機をきちんと取り付けたいところです。カツオくんあたりがいたずらをして、煙をたいても警報機が作動しないようにするなんて事の無いようにしてもらいたいと思ったりもします。(住宅用火災警報器に関する総務省消防庁の啓発サイトはこちら)