東日本大震災では沢山の犠牲者が出ましたが、住民の避難誘導等で命を落とされた消防団員の方々も250名以上いらっしゃると言われています。火災や大規模災害の時に、それぞれの現場に一番近い位置にいて、防災の最前線にいる消防団は市町村が設置する公的機関で、団員は非常勤の地方公務員になります。とはいえ年額報酬が3万円にも満たないという手当で活動しているわけですから、その実態はボランティアであると言わざるを得ません(この他に出動手当もありますが、一回当たり数千円です。)。海外で防災の話をする機会があると、自主防災活動の一つとして日本の消防団も紹介することが多いのですが、たいていの外国人の方は驚くと同時に、感心してくれます。常備消防(いわゆる市町村の消防署)の能力が高まり、駆け付け時間も短くなると、通常火災における消防団の消火活動は少なくなっているのですが、一方で大災害時には一番危険な状況に臨まなければならないとなると、やはり被災したり殉職した方々への補償については十分な配慮が必要な気がします。
総務省消防庁の消防団のページを見ると、全国の消防団数は約2300、団員数は約88万人に上ります(消防団員数の推移はこちら)。常備消防職員数が約16万人ですので、数の上ではまだまだ消防団は勝っています。この動員力や地域との密着性をうまく活用して、消防団には防災のための広報活動、特に地域防災の研修や啓発活動に活躍していただく機会を増やしたいものです。残念ながら学校防災の関係で調査していますと、学校と保護者との関係は進みつつありますが、地域の様々な防災に関する組織との関係は、あまり深まっていません。つくば市においても消防団と防災について話し合っていたり顔の見える関係を築いているところはごく一部のようです。
あなたのまちの消防団の実態について、沢山のデータや資料によって見ることができますので、消防庁の消防団のページを是非ご覧ください。