震災から早くも1年半が過ぎました。今年3月末までに都道府県が把握した震災関連死に該当すると思われる人数は1632名、その多くは70歳以上の高齢者です。避難によるストレスが原因と思われる死者が非常に多く、特に福島県で761名もの死者が出ており、これは津波による被害の大きい宮城県や岩手県を上回っていることからも、原発事故の影響が非常に深刻なことがわかります。(東日本大震災における震災関連死に関する報告(復興庁のpdfファイル)はこちら)
1995年の阪神淡路大震災の際に、震災から1年間、社会に発信されたさまざまなニュースを追跡しておりました。それは災害をタイムラインで理解することの最初のきっかけとなりましたが、その際も震災から半年くらいで避難先や仮設住宅での孤独死報道が相次ぎました。生活再建の見通しが立たない中で、まさに未来が見えないことによる不安は非常に大きいものがあります。東日本大震災による自殺者は13名、そのうち福島県は9名です。
慣れない環境からのストレスで持病を悪化させたりすることのないよう、さまざまな取り組みをすることが必要ですが、同時に被災者が孤立しないように、あらゆる立場の人々が「関わりを持っていつづけること」が大事な時期になっています。孤独死というよりも孤立死にならないよう、継続的なかかわりを持つ「絆」を見つめなおしていく時です。
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防災情報研究部門
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茨城県つくば市天王台3-1