千葉県教育委員会では、東日本大震災の経験を活かすべく、特別支援学校向けの防災啓発資料「防災セルフチェック-学校の防災機能を高めるために」を作成し、公表しました。この資料は災害時のさまざまな事態を大きく12に分類して、さらに総計で117項目からなるチェックシートによって起こりうる事態とその対応を確認する仕掛けになっています。まさに災害シナリオを当事者自身が確認するための仕組みです。
特別支援学校をご存じない方のために書きますが、特別支援学校とは「障害者等が幼稚園、小学校、中学校、高等学校に準じた教育を受け、学習上または生活上の困難を克服し、自立が図られることを目的とした学校」のことで、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者、または病弱者の方々が通学されています。文部科学省の資料によれば、平成18年5月現在での生徒数は全国で10万4千人余り、これに携わる教員数が6万5千人となっています。
学校が防災の拠点としてこれからどのように改善されてゆけば良いのかについては、さまざまな意見があると思いますし、また地域によっては問題も多様で、保護者と学校との関係、さらには地域の一般住民や地元企業などとの関係も含めて、災害時の対応や体制を見直していくことが大切でしょう。我々もつくば市内にある茨城県立の特別支援学校の防災の検討会に参加させていただいています。今必要なのは各地での取り組みに関する情報をできるだけ共有化し、良い点を逐次取り入れ、一つでも地域課題の解決に結び付けていくことだと思います。
我々のプロジェクトでも進展がありましたら、また逐次ここでご紹介したいと思います。
つぼつぼのprofile
国立研究開発法人 防災科学技術研究所
防災情報研究部門
所在地
茨城県つくば市天王台3-1