ネット社会の成長に合わせて、多様な情報が多様な形で提供されるようになりました。防災もその一つで、現代は防災情報の戦国時代と言えそうです。この背景にはスマートフォンの急速な普及も大きく貢献していると思われます。デフォルトでセットされている無料サイトからの情報だけではなく、利用者ニーズに合わせて、さまざまな精度や、密度(頻度)で有料情報が提供されています。これらをうまく活用して効果的な防災対策がとられることが望まれます。
しかし、有益な情報を活用して具体的な減災、防災行動を起こす際には、原則として自己責任で対応することを忘れてはなりません。サイトから得た情報によって行動の示唆はあっても、最後の決断は自分で責任を持って行うことは承知しておかねばなりません。難しいのは自己責任では対応できない人たちの存在であり、たとえば認知症の高齢者の方々などを危険から守るためには、その周囲にいる人たちにこそこのような情報を活用して、早め早めに対応を考えていく仕組みが必要です。地域で防災力を高めるための取り組みが盛んになればなるほど、どういう情報を得られるか、活用できるかを、是非関係者で話し合い、共有していただきたいと思います。
常総市諏訪町の防災訓練で携帯GPS機能を活用する
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国立研究開発法人 防災科学技術研究所
防災情報研究部門
所在地
茨城県つくば市天王台3-1