全国の公立小中学校30,395校のうち天井や照明器具などの落下防止策を施した学校は約32%の9,730校にしか達していないと文部科学省から発表(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/025/toushin/1325217.htm)がありました。公立小中学校は災害時の避難所として我が国の防災においてきわめて重要な「器」ですが、建物の耐震性ばかりが注目されがちで、非構造部材の耐震対策は見落とされがちです。
東日本大震災の際に、私が避難所運営に関わったつくば市立吾妻小学校でも、いろいろな学校の備品や書棚、額やトロフィーなどが落ちたり、転倒したりしていました。震災後、結局はなんの対策もされぬまま、多くの学校で「以前と同じように」放置されているのが現実ではないでしょうか。
学校に限らず公民館なども避難所や地域の防災拠点に活用されることが多いですが、さまざまな地域にお伺いするときに、いつも気になるのが実にいろいろなもの(額やボード類)が壁面を飾っていることです。平時は意義があると思いますが、地震時の事を考えると、これらはなるべく減らしておくか、きちんと固定をしておきたいものです。
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国立研究開発法人 防災科学技術研究所
防災情報研究部門
所在地
茨城県つくば市天王台3-1