東京都の将来像について、有識者による検討が進められ、座長試案という形でまとめ(http://www.soumu.metro.tokyo.jp/05gyousei/jichiken/08.html)が公開されました。新聞などでも報道されましたが、最も注目されることとしては、西暦2100年の東京都の人口がピークである2020年の1335万人と比べてほぼ半減する713万人という結果が出されていることでしょう。因みに2100年の高齢化率(65歳以上の人口比率)は約46%と、現在の倍以上の値になります。にわかにはイメージがしにくいところですが、首都がそれでも現在同様に機能できるかどうか、これから十年くらいの間にどのようにまちづくりの舵を切るかで変わっていく気がします。
このような推計値はさまざまな仮定に基づくものですが、例えばこれから何らかの手段で出生率を上げるとか、外国からの移民を積極的に受け入れるとか、いろいろな変化を与えることで、首都東京がどうなっていくかについても予測されています。
資料では防災については木造密集地の課題や老朽化した共同住宅(マンション)の問題については言及されていますが、人口構成がこのようにドラスティックに変化する問題については直接的に触れられてはいません。2100年の防災と言われても、今の段階で何か具体的にできることをイメージするのは難しいでしょうが、まずは10年後、30年後の目標設定をして防災課題を考えていくことは大切でしょう。10年後というのは現在の中学生が成人し、社会人となるころ。30年後は現在の働き盛りの40代が後期高齢者になるころです。
首都直下地震がそれまで待ってくれるかどうかはわかりませんが、30年後に現在の被害想定の数値を半減できるくらいにはしておきたいものです。
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