平成20年(2008年)の住宅土地統計調査の結果の中で、空き家の問題が注目を集めています。8月26日の東京新聞日曜版では、大図解として全国の空き家の状況や将来の見通しなどがまとめられました。
空き家数は全国で5759万戸と、住宅の13.1%に達し、8件に1件は人が住んでいないという実態にあります。建物がこのように使われないままで放置されているのは、持ち主が解体するための経費を節約したり、更地にする事で固定資産税が上がることを嫌ったり、いろいろな背景があります。もとをただせば中古住宅が極端に市場価値が低くなってしまうという日本の住宅市場の特殊性に原因があるともいえます。
人が住んでいないまま放置されている建物が多くなると、防災の観点からも問題だと言えるでしょう。老朽化したまま放置されていれば、地震などで崩壊する危険も高まりますし、それによって火災などの2次災害が発生して、地域に大きな被害をもたらすかもしれません。地域での防災訓練でも空き家の確認や災害直後の対処についても、ぜひ検討していただきたいポイントです。先月(2012年7月)、総務省は「新潟県内の危険な老朽空き家の実態について」という新潟行政相談委員協議会の調査資料を公開しました。雪によって危険な状態になる空き家が沢山あることがわかります。
空き家はまた犯罪の温床になる可能性もあります。私たちも自分のまちの空き家について、配慮しておく必要があります。
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国立研究開発法人 防災科学技術研究所
防災情報研究部門
所在地
茨城県つくば市天王台3-1