坪川です。東日本大震災を契機に、エネルギー問題と真剣に向き合わねばならなくなった日本社会ですが、私たちはどこまでエネルギー消費を抑えた社会に戻れるのでしょうか。以前にこのサイトで紹介した情報学研究所の北本先生が公開しているサイト(エレクトリカルジャパン)でも近代化の流れの中でたくさんの発電設備が作られ、維持されてきていることがわかりますが、実際問題として電気はいつでも手に入るもの(だから電気が手に入らない社会は想像できない)というくらい、私たちは電気に満たされた生活に馴染んでしまっています。
私たちの社会がどれだけエネルギーを消費してきたかを調べてみると、電力事業連合会の資料によれば2005年ころをピークにして、やや減少傾向にあるものの、基本的には右肩上がりで電力消費は増え続けてきています。そこで過去40年間で、私たちの生活がいかに電気によって満たされてきたかがわかるような家電製品と並べて、私たちがどこまで戻れるのかを考えてみました。実際にはその電化製品が開発された当時と今とでは、電力消費量が格段に違うもの(例えばテレビやエアコン、冷蔵庫など)がありますが、それは今回無視しております。こうして見てみると、1970年ころまで遡ると、かなり不便な生活をすることになると思うのですが、いかがでしょうか。トイレにウォシュレットがないとダメというのは女性よりも男性に多いとかいう調査もあるようです。便利で衛生的な生活に慣れすぎた私たちは、もう昭和の初期に戻るのすら大変かもしれません。
年 | そのころあまり一般的ではなかったもの | 電気消費量 |
2000年 | 空気清浄器、食器洗い機 | 303 :100% |
1990年 | 携帯電話、ウォシュレット | 252 : 83% |
1980年 | ビデオレコーダー、CDプレーヤー、 | 185 : 61% |
電子レンジ | ||
1970年 | エアコン、車、カラーテレビ | 119 : 39% |