坪川です。311まるごとアーカイブスの広報も兼ねて、山形市に来ています。明日、山形学のシンポジウムがあり、そこで地域の方々と史料や文化財の保存あるいは活用に関して議論することになっています。震災によって失われた地域の記憶は、どうすれば保管でき、万一の場合にも再生ができるのでしょうか。クラウドシステムはさまざまな情報をバーチャルな空間に保管できますが、リアルなものはどうしても失われてしまう可能性があります。写真や動画は確かに「記憶を助けるもの」ではありますが、「記憶そのもの」ではありません。その意味では失われることがないようにすることは、不可能といってもいいのでしょう。
一方で私たちの社会には個々人では保管してはいないけれども、社会として保管されているたくさんの「記憶」があります。このいわば社会的な記憶を、このような災害時には有機的に呼び出す仕組みが必要なのではないかと思います。テレビ局や新聞社、マスコミが持っているたくさんの映像資源を、アーカイブで利用できないか、現在、その検討も進めていることろです。