坪川です。震災から半年。そろそろ情報が出そろい、この災害の特徴もいろいろ見えてくる時期です。総務省統計局は被災地に関わる基本的な社会統計を公表しています。いつもは地域防災力向上のためのWSなどで、さまざまな社会統計を使って整理していることもあり、このデータを少しいじってみました。
被災地は青森県から千葉県まで非常に広範囲に広がっていますが、やはり被害の大きさから言えば、岩手、宮城、福島の3県が中心被災地になるでしょう。死者・行方不明者およそ2万人のうち、99.7%をこの3県が占めています。
市町村別の被害率を見てみると、まだ一部損壊などの数字が未確定ですので、建物被害については比べにくい点もありますが、人的被害については陸前高田市、釜石市、大槌町、石巻市、気仙沼市、東松島市が千名を超える死者・行方不明者を出しています。(女川町、名取市、南三陸町もほぼ千名です)
国土地理院が4月18日に公表した航空測量などに基づく推定浸水域における人口が総務省から公表されています。仮に死者・行方不明者が全て津波によって発生したと考えた場合、この推定浸水域における死者・行方不明者発生率を計算してみると、最も高いのが陸前高田市の12.71%、次いで大槌町の12.16%、女川町の11.79%となっています。これらの地区は推定浸水域における人口割合が7割から8割に達するので、まさに浸水範囲が市街地の大部分を占めているという極めて厳しい状況にあります。
一方推定浸水域の割合が大きい割には人的被害が相対的に少なかった所もあります。それは塩竈市、松島市で、この2市は日本三景の一つ松島によって波が穏やかかつ緩やかになり、その結果浸水はしたけれども、死傷率は高くなかったのでしょう。
統計データは以下のサイトにあり、エクセルシートでダウンロードできます。
http://www.stat.go.jp/info/shinsai/index.htm#ssds