坪川です。サマー・サイエンス・キャンプ2011が無事終了しました。全国各地から集まった高校生20名のみなさんと、楽しい3日間が終わりました。今回は講義の時間を延長してまでドラマづくりに挑戦してくれました。最終日はそれぞれのグループから制作したドラマの発表があり、その出来の良さにびっくりしました!地震や水害を対象にして、災害時に起きることを街中にいる普通の人々を主人公に、混乱や対立、助け合いや教訓まで盛り込んで、短時間でよくここまで考えてくれたものだと、担当者としても脱帽です。最後に発表したチームは自分のPCで編集し、効果音まで入れてくれたところもありました。高校生のポテンシャルはとても高いです。
さて、防災ドラマですが、今回高校生のみなさんが作った話を聴いていて、いくつか気づいたことがありました。一つはものがたりに登場する人物の描き方が、普段に彼らが生活の中で観察し、実感している、「どこにでもいそうな人」が多く登場することです。私たちは経験を物語るとき、多くをたとえ話にしますが、これは身近に感じられそうなエピソードを使って説明することで、相手の共感を得易くなるという性質があるからですが、彼らも(おそらく)無意識のうちに、身近な他者をイメージしてドラマを作っているわけです。このセンスはどうすれば身に着くのか、またより効果的なコミュニケーションにするためには、このセンスをどうブラッシュアップすべきかについては、さらに検討が必要でしょう。
もう一つは、これも当然ですが、彼らは東日本大震災の影響をやはりいろいろな側面で受けている世代です。津波による避難のシーンを取り入れたチームもありましたが、その行動はテレビなどで報道されている情報に多くを依存しているようです。避難行動が適切であったかどうかはなかなか難しい問題で、私たちも被災地のさまざまな関係者から聞き取り調査をしています。そこから得られる情報は、今後の防災に多くが役立てられねばなりません。そのためにも我々は頑張って記録をし、アーカイブに残すことが大切です。
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