坪川です。連日の余震でだいぶ疲労がたまっている方も多いと思います。これほどまでに大きな地震が日本のような人口稠密地に発生した例はめったにないことですので、今後も余震で本震以上に大きな被害を生じる場所もないとは言えません。斜面崩壊などはその最たるものですので、警戒が必要です。
この地震は、日本列島の東半分をまとめて震動台で揺すったようなもので、それぞれの地域を細かくみると揺れの大きかったところ、それほどでもなかったところがよくわかります。あたかもハザードマップの一斉検証が行われたようなものですので、その意味でも各地の詳細な被害の出方は是非調べておかねばなりません。私たちが防災計画を立てる際の基礎資料に使うハザードマップの多くは、理論的にこうだろうという予測に基づいているにすぎません。今回の地震はその予測があっていたのかどうか、危険なところとそうでないところが適切に評価されていたかどうか、確認することができます。つくば市でも50メートルメッシュで細かい揺れの違いが予測されていましたが、それが実被害とどう対応しているか、今後詳細な検討が必要です。そう考えると被災の深刻ではなかった地域でも、それぞれのハザードマップや被害想定の点検と検証を行うべき機会が与えられたと言えるのです。
つぼつぼのprofile
国立研究開発法人 防災科学技術研究所
防災情報研究部門
所在地
茨城県つくば市天王台3-1