坪川です。明けましておめでとうございます。2011年が災害の少ない良い年になることを期待しています。さて、1月になるとすぐに震災の日がやってきて、私たちは16年前の「あの日」のことを思い出さずにはいられなくなります。
当時、私はまだポケットベル(今では死語ですね)を使っていたのですが、震災当日の朝にさっそく携帯電話を申込み、午後3時に受けとって、その日の夜行バスで同僚と神戸に向かったことを思い出します。到着した被災地ではまだ火災が継続しており、高速道路の倒壊や市街地火災のすごさを目の当たりにして、正直なところえらいことになったと思いました。甲子園の駅を過ぎて西進しているときには、余震で住宅が倒れてくるという現場にも行き会いましたし、コープこうべでは消防士が必死になって消火しているのに、水が思うように出なくて大変な現場にも遭遇しました。寒い冬の日でしたが、歩いていると被災者の方々はいろいろ声をかけてくれ、どちらが被災者かわからないような気がするときもありました。体育館に収容された遺体の列を見たときはかなりショックを受けましたが、当時は仕方なかったのかもしれません。
昨日の新聞報道で、まだ被災地には1万人以上の「災害援護資金」未完済者がいるということでした。具体例に紹介されていた方では、月に10万円あまりの年金から千円づつ返済しているそうです。「一生かかっても返済できない」という声が聞こえてきます。私たちの支援はこういう人たちには届かなかったのかもしれません。本当に困った人にうまく支援ができたのだろうか、今こそ私たちは阪神大震災の復興の検証をすべき時なのでしょう。
1月17日にはNHKラジオで震災の日の特別番組が放送されます。私たちのドラマコンテストの入賞作品も紹介されますので、ぜひお聴きください。
http://www.nhk.or.jp/radiosp/bousaisp/
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