坪川です。日本漢字検定能力協会がつい先日発表した今年の漢字は「暑」。確かに今年の夏は暑かった。久しぶりに子供時代の夏が帰ってきたような感じでした。でも個人的には今年の漢字は「縁」であったらよかったのにと思っています。NHKの無縁社会プロジェクトでも取り上げられていましたが、いまの日本社会が失いつつあるものは人と人との結びつきを表す「縁」ではないかと思います。行方不明高齢者の話は衝撃的な事件でしたね。
私の知人にも40代で無職になりかかっている人がいます。高学歴で(博士号を持っている)、資格もある(一級建築士も持っている)にもかかわらず、ちょっとしたことでラインから外れてしまうと戻れないという現実に直面しています。敗者復活戦のない社会の厳しい現実があります。これを解決するにはどうすればよいのでしょうか。
かつて日本はたくさんの縁のある社会でした。コネが利くとか、根回しをするとか、ともすれば社会が持つ非正規な働きを白眼視しがちですが、それらも含めて社会にはある種の冗長性があって、それがうまく機能している部分を私たちは忘れがちです。どんなに公正な社会であっても、優しさのない社会には住みたくないものです。
さて、ドラマのコンテストの審査がいよいよ本日行われます。審査委員長は映画監督の大森一樹氏ですが、どのようなドラマが選ばれるでしょうか。それは「縁」を考えさせる優しいドラマでしょうか。結果発表は1月17日のNHKラジオの放送(http://www.nhk.or.jp/radiosp/bousaisp/)までお待ちください。
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