坪川です。阪神淡路大震災から間もなく16年目に突入しようとしています。1か月後にはまた神戸で「震災の日」の記念イベントが催されることと思いますが、震災の影響は意外に長く尾を引いているものも少なくありません。先月、兵庫県こころのケアセンターが行ったシンポジウムで発表された資料によれば、震災遺族の半数以上にうつやPTSDの症状が出ており、長い時間が経ってもなお、災害による心の傷は大きいということでした(写真)。
人間の心というものは不思議なもので、外部から強い圧力がかかると、それを避けようとして自己防衛のために心を閉ざしてしまうようです。一昔前にはやった流行語ではありませんが「右から左に受け流す」ことは意外と難しいようです。「うつ」は誰にでも起こりうる現代の病です。私たちの社会の絆が、このようなリスクからも守ってくれるような仕組みとなることを期待したいものです。
ドラマコンテストの審査が順調に進んでいます。ここで生み出され高められた人々のつながりが、万一被災者になった場合でも効果を上げてくれることを祈りたいと思います。
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国立研究開発法人 防災科学技術研究所
防災情報研究部門
所在地
茨城県つくば市天王台3-1