坪川です。奄美大島に続いて佐渡に来ています。佐渡島は日本で5番目に大きな「島」です(奄美大島は6番目)。離島は防災の上ではいろいろな問題を抱えています。急斜面、う回路がなく孤立しやすい集落、人口の減少と高齢化、不況による就業先不足等々。佐渡でも毎年ハイペースで人口が減り続けています。でも島での暮らしはそれ以上に素晴らしいという人も少なくありません。それはなぜでしょうか。
島には島を囲む特別な空気の層があるために暖かく、また適度な湿り気があり、身体にはよさそうです。住む人の多くは優しく、多くの人が感じることですが、島には特別な時間の流れがあるようです。それは概ね「ゆったりした」ものです。うちの研究員の李さんは気が短いので、イライラしたようですが(笑)。
奄美大島でお会いしたあるご夫婦が、結婚した際に親に「日本の端のほうへできるだけ行くように」と勧められたそうです。端に行けばいくほど、人と人とのつながりが強くなる。そのような印象を持たれているようです。
時に排他的で入り込みにくい共同体と思われがちな「島」の人たちですが、打ち解ければとても気安く、いろいろな交流が生まれてきます。年齢を重ねてもそういう交流のできる柔軟性を自分でも維持していきたいものですね。
つぼつぼのprofile
国立研究開発法人 防災科学技術研究所
防災情報研究部門
所在地
茨城県つくば市天王台3-1