坪川です。奄美豪雨災害調査2日目は報道で最も頻繁に取り上げられた住用町を中心に行いました。奄美市社会福祉協議会、最大の避難所となった奄美体験交流館、奄美市住用支所、グループホームわだつみ苑、大島地区消防組合住用消防分駐所、奄美市立住用小学校などを回りました。それぞれ地元の関係者の方々に親切に対応していただき、詳しい状況を知ることができました。
写真はわだつみ苑の建物です。川のそばですが川からの水というよりも、この地区全体が2メートルを超す一面の水で覆われ、あっという間に入所者が水に浸かり、2名の方が亡くなるという悲劇が起きました。
建物は構造的には大きな変形もなく、ちゃんと建っていますので、もし2階があれば犠牲者を出さずにすんだのかもしれません。認知症の高齢者グループホームとしては、転倒や打撲など日常事故による危険を減らすためには、目が行き届きやすい平屋建てであるほうが望ましいわけですが、水害のことを考えると一角にロフトでもあれば救い出せたかもしれません。このように種類の違うリスクを一緒に考えて、効果的な減災に結び付けていく発想が必要だと、毎度のことながら痛感しております。
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国立研究開発法人 防災科学技術研究所
防災情報研究部門
所在地
茨城県つくば市天王台3-1