坪川です。奄美の豪雨災害に関連して田口君のホームページにも記事がリンクされていましたが、マングローブと水害との関係が議論されています。結論から言えばマングローブの存在が水害の規模を大きくしたり、発生をを助長したのではないかというものです。(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/208641
水害と環境の議論で思い出されるのが、2005年のハリケーンカトリーナで浸水したルイジアナ州の湿地帯の存在でした。こちらは逆に広大な湿地帯が年々東京ドーム数個分も失われているという研究者の指摘があり、そのことが高潮の侵入を容易にし、結果的に沿岸市街地への水害被害を大きくさせたのではないかというものです。防災科研でもカトリーナの総合的な調査を行いレポートを作成しました(「主要災害調査第41号」)。私もさまざまなネット情報を約半年間追跡し、タイムラインを作成したことを思い出します。
自然は極力人の手が入らないまま放置したほうが良いのか、それともある程度手を加えて人と共生するための整備をしたほうが良いのかは非常に難しい問題ですが、今回のケースもこれからいろいろな関係者が協力して、よい解決の途を探ることが期待されているといえるでしょう。明日から現地に行ってまいります。
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国立研究開発法人 防災科学技術研究所
防災情報研究部門
所在地
茨城県つくば市天王台3-1