このような中で、震災に絡んださまざまな出版物が出されています。出版不況の中ですが、情報に対する需要は多く、紙媒体には紙媒体の良さがあります。幾つかは右カラムの「つぼつぼの本棚」でも紹介しましたが、岩波書店が老舗科学雑誌の「科学」の1月号で、リスクを特集しました。大変興味深い論考が並んでいます。特に東京大学の影浦峡先生と、竹内啓先生の論考はとても重要で考えさせられるものでした。
災害のような社会的な大「事件」が起きると、その事態はどこまで理解され、また予想されていたのかという問題は、必ず論議されるます。今回の地震、津波、原発事故が、それぞれどの程度までわかっていて、現時点でどこまで見通しが立っているのかについても、いろいろな意見があると思いますが、そろそろ交通整理をして、一人一人が自分の認識を固める時期に来ているのかもしれません。