これを見てわかることは、災害発生後2週間ほどでいったんピークとなり、その後、行方不明者数が減るのに対して、死者数が徐々に増えていくという傾向です。当然と言えば当然ですが、行方不明だとみられていた方の遺体が発見され、身元が特定されることで、確定死者数が増えていくのが見て取れます。一方で死者+行方不明者の数字については4月の下旬ごろから徐々に減っていることがわかります。これは何を意味するのでしょうか。
死者と行方不明者の把握の仕方についての詳細がわかりませんので、何とも言えませんが、私たちは自分が無事でいるということだけでも、他人に伝えるのは容易ではないことが伺われます。これほど情報化社会と呼ばれているにもかかわらず、実は安否情報の確認は容易ではありません。この点は今後の大災害での対応で情報をどうやって共有化し、共通認識を作るかという点で、大いに考えさせられるところです。
このままのペースで数字が更新されていけば、総死者数は当初予想より若干下がるかもしれませんが、それにしても2万人を超える犠牲者の数はあまりに多すぎます。この現実を直視し、いま何をすべきか、私たちは真剣に考えねばならないところに来ていると思います。