そのシンポジウムの際に、市が作成した「デジタル語り部さん」というCD-ROMが配布されました。ここに登場するお年寄りの方々は、昭和8年の三陸大津波を経験している方々です。昭和三陸の津波は今回の津波ほどには規模は大きくはありませんでしたが、それでも日本の災害史上に残る死者行方不明者合わせて3千人を超える大被害となっています。このデジタル語り部さんは、その教訓を後世に残すために、今も元気で生きていらっしゃる方々が災害の証人として自ら語っているものです。デジタル記録などがない時代ですので、残せるのは高齢者になった「今」しかなかったわけですが、今回の震災はどうでしょう。いま被災地にいる多くの方々こそが、まさに災害の証言者なのです。そしてその記録はデジタルで後世に色あせることなく残すことができるわけです。今こそ、その記録を残すべきではないでしょうか。
私たちのプロジェクトALL311では、災害の記録のアーカイブを始めています。被災者の方で後世にこの災害のことを伝えたいと思われる方は、是非ご参加ください。皆さんの一つ一つの証言が、この国の防災の未来を照らす光となるのです。