水害と環境の議論で思い出されるのが、2005年のハリケーンカトリーナで浸水したルイジアナ州の湿地帯の存在でした。こちらは逆に広大な湿地帯が年々東京ドーム数個分も失われているという研究者の指摘があり、そのことが高潮の侵入を容易にし、結果的に沿岸市街地への水害被害を大きくさせたのではないかというものです。防災科研でもカトリーナの総合的な調査を行いレポートを作成しました(「主要災害調査第41号」)。私もさまざまなネット情報を約半年間追跡し、タイムラインを作成したことを思い出します。
自然は極力人の手が入らないまま放置したほうが良いのか、それともある程度手を加えて人と共生するための整備をしたほうが良いのかは非常に難しい問題ですが、今回のケースもこれからいろいろな関係者が協力して、よい解決の途を探ることが期待されているといえるでしょう。明日から現地に行ってまいります。